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石徹白の渓魚ギャラリーリンクサイト・マップ電子メール
 
*石徹白(いとしろ)に通う釣り人から寄せられた“声”の数々を紹介するページです*
 
   
▲フィッシャーズ・ボイス【1】
 
 
【2008年以前】
 
 
フィッシャーズ・ボイス【2】
 
C&R区間で釣りを楽しむH.S.さん
★Human River 石徹白
東京都在住 H.S.さん
石徹白川支流峠川C&R区間は、僕にとって人のぬくもりを感じることのできる渓だ。
盛期の週末ともなれば人で溢れかえることもあるけれど、少なくとも僕の周りで釣り人同士のトラブルを聞いたことがない。人が多い分、皆が節度を持って各々の釣りを楽しんでいるからなのだろう。ランチの際、たまたま居合わせた見知らぬ釣り人と情報交換とともに午後に入る区間を譲り合ったりする光景は石徹白ならではと思う。
人気のない山奥の峪に独り潜り込むのも好きだけど、僕はそんなヒューマンな石徹白に心から惹かれるのである。
流れに棲む渓流魚もC&Rの恵みを受け再生産された素晴らしい体躯のものが多い。逞しく育ったクレバーなアマゴやイワナは、僕に出逢うまでにきっと何度かのリリースを経験してきたに違いない。つまり、出逢った渓流魚を通して、僕は見知らぬ釣り人がリリースに込めた想いを感じることができるのだ。そしてこのC&R区間の設立に尽力された皆さんの労苦や地域の皆さんの理解に思いを馳せることも忘れてはならないだろう。
僕が釣っていると、見知らぬ釣り人が土手から声を掛けてくる。
「この先の養魚場のあたりから入渓してもいいですか」と。僕はもちろんOKする。
石徹白を石徹白たらしめているのは人の温かい想いだ。その想いが今の石徹白を作り上げ、そのぬくもりが今と未来の石徹白C&Rを紡いでいくのだと思うから。
僕は今、ビジネスの関係で東京で暮らしているけれど、時々石徹白を思う。
目に浮かぶのは、その清らかな流れと渓流魚、そしてその山間の村に集う人々だ。
遙かなる石徹白。その澄んだ水は、様々な人々のぬくもりを乗せて今日も流れ続けている。
 
雨上がりの峠川の小道を歩く釣り人達 ★理想の溪 静岡県在住 K.M.さん
私はフライフィッシングと出会うまで渓流釣りに縁が無く、フライを始めてから多くの渓流が漁協に管理されていて、そこでの釣りが魚の放流によって支えられているということを知りました。渓流には当たり前のように沢山の美しい渓魚が生息していると信じていた私はこの事実に少々戸惑いを感じながらも、始めたばかりのフライフィッシングに夢中になっていました。
そういった川の状況が当たり前に思えてきた頃、初めて石徹白C&R区間へ訪れました。その川は魚があふれていました。川を覗けば浅い場所には沢山のアマゴの稚魚が泳ぎ、深い流れには大型のイワナが川底に定位しながら流下する虫を捕食するためライズを繰り返していました。そしてこの渓で生まれ育った魚は野生的でとても美しいものでした。
放流に頼らずとも沢山の美しい渓魚が悠々と泳ぐ川。そして、そこで生まれ育った利口な魚たちに翻弄されながらフライフィッシングを堪能することが出来る石徹白C&R区間は、多くの釣り人のとっての理想の渓流の形ではないでしょうか。
 
D.M.さんが釣り上げた宝石のようななアマゴ ★夫婦で石徹白 愛知県在住 D.M./M.M.ご夫妻
昨年の早春、雪がまだ山の斜面に残る頃、私達は初めて石徹白の峠川を訪れた。川はまだ暗く静かで冬の流れだった。それから1ヶ月後に再び訪れた峠川は春満開で山も川も光り輝く生命力に満ち溢れていた。ドライフライに飛びつく美しい魚体に魅せられて以来、私達は週末の石徹川で過ごす時間を楽しみにする様になった。アクセスも便利で道の駅や温泉で楽しく寄り道出来たり、朝ゆっくり出発して午後から川に入ったとしても決してがっかりさせらる事はなかった。たとえ先行者がいたとしてもフライをその時の状況に合った流し方が出来た時にはすばらしい反応が得られ、自然と私達は練習熱心になった。
初夏のある日、イブニングの釣りを楽しみ、空に現れてくる星を見ていた。石徹白の空気は市街地のとは違い、澄んでいて星が良く見える。川の音と山の草木の匂いがシンクロし、自然を愛する者だけが味わう事のできる独特の時の流れの中でボーっとしていると空の星が動き、そして消えた。また別の所で光り、動いた。それは蛍だった。辺りが暗くなるにつれ明滅する光は増していった。私は幼い頃に父親に教わった蛍の寄せ方を思い出し、胸に下げていた小さなライトを点滅させてみた。すると一匹のホタルが求愛発光と勘違いして近付いて来て手の中にスッと納まった。星を掴んだ気がした。そしてライズに夢中になっている主人の傍に行き、そっと重ねた手の中を見せた。その光は高層ビルからの夜景とは全く比べ様も無い、たった一匹の虫が優しく放っている美しい光だった。私達は峠川の豊かさをしみじみと感じ、二人で小さな幸せを共有出来たことを心の底から喜んだ。今年もまたこの川に立つ時、「川は自分達で守る事ができる」という可能性を感じながら、そして、その可能性を努力し実現した方々に感謝し、そしていつまでも命豊かな川であるように願って、夫婦仲良く楽しく釣行しようと思っている。
 
T.K.さんが釣ったヤマメのようなアマゴ ★石徹白の力 愛知県在住 T.K.さん
石徹白川C&Rの存在は、以前から知っていましたが、私が足繁く通いだしたのは、昨年の春からだと思います。それまでは、C&R区間は人が押し寄せ、まともに釣りが出来ないんじゃないの、と自分勝手に思い込んでいました。それに渓魚の質も良くないんじゃないかと…。
しかし、なぜかこの川に魅せられ通うようになったのは、前の年06年秋に友人に誘われ来たとき釣ったイワナが、想いのほかの綺麗さで驚かされていたからでした。
ここで生まれて育つ多くの渓魚は、再生産され、人間からのプレッシャーに負けない力強さを蓄え、本来の持つべき美しさを持つんだと思います。それと、C&R発足当時の石徹白川の状態は、今より良かった事だと思います。しかし、現在でもこの区間にいる渓魚を育む石徹白川の力は立派なもんだなと思っています。
よく言われる温暖化によるのかどうか解りませんが、石徹白は豪雪地帯だと聞いていましたが、ここ数年、雪解けが早いみたいです。自然的には良くないと思うんですが、こちらにとっては好都合です。
重たいニンフフライの釣りをし、流し方の難しさが多少なりとも理解でき、勉強になります。そして、しっかりとした石が入っている川の流れには変化があり、多くの水生昆虫を育てるいるのは間違いないようです。気温の上昇に伴っておこる羽化、そしてライズ。フライボックスの中をかき回し、ティペットを切ってはつなぎ、投げる位置
を変え、幾度となく願いを込めて送ったフライを横目で見過ごされ、頭から湯気を出しながら、悠々と泳ぐイワナを呆然と見ている自分。未熟さを思い知らされました。
これに似たような話はよく聞きました。しかし、時にはやること全てが上手く行き、頬が緩んでしまうくらい充実感に浸れる日もたまにはありました。このような釣りをした年は、ここ数年味わってなく、石徹白川C&Rはとても新鮮な気持にさせてくれました。それは、やはりC&Rによる魚の安定度、そして魚の再生産という環境、そして自然に釣友が出来てしまう所。大切にしていかなければなりません。
 
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